他の記事でもご紹介の通り、コケリウムに使うコケとしてスナゴケは非常に優秀な種類のコケに当たります。
しかし、このスナゴケにはいくつか注意点があり、それらを甘く見ていると一気に崩壊してしまう危険性もあるのです。
そこで今回は、スナゴケの管理における注意点についてご紹介いたします。
水やりの頻度について
まず、ひとつ目の注意点についてですが、それは水やりに関する注意点となります。
コケというと高い湿度を保てる環境でないといけない植物というイメージを持たれるかも知れませんが、このスナゴケに関しては反対の性質となっているのです。
スナゴケはやや乾燥気味の環境で
というのも、スナゴケはもともと水捌けの良い土壌である事が多い河原などに生息しているコケです。
なので、環境としては湿潤というよりはむしろ乾燥しているエリアに順応しているコケなのです。
その為に乾燥に非常に強く、多少水やりを忘れても枯れてしまう事はないという点から、飼育しやすいコケというポジションに定着しているのでしょう。
水のあげ過ぎはNG
そんなスナゴケは水をあげると、閉じかけている葉がみるみる内に開いていき、見ていて非常に気持ちの良い反応をしてくれます。
そういった事から頻繁に水やりをしたいという方が多くなりがちです。
しかし、実はそれはスナゴケにとってはむしろマイナス要因となってしまうのです。
前述の通りスナゴケは水捌けの良いエリアに生息しているコケで、野生のスナゴケはたまに降る雨だけで水分補給を行っています。
逆に言えば、その頻度が最適な水分摂取のタイミングとなりますので、毎日の水やりの様な頻度で水分を与えてしまうと逆にダメージを負ってしまい、茶色に変色してしまう可能性があるのです。
スナゴケは1年を通して、基本的に常緑のコケです。
スナゴケに最適な水やりの頻度
それでは、スナゴケに最適な水やりの頻度としては、どれ位が最適なのかという問題に行き当たるでしょう。
その答えとしては、1週間に1回のペースが最適と言われています。
もちろんこれはコケリウムを設置している環境次第で多少の前後はするでしょうが、基本的には週1回の頻度の水やりが最適となっているのです。
ペットや服の接近に要注意
2つ目の注意点としては、ペットや人間が来ている繊維質の服などが触れてしまわない様に注意するというものです。
これは単純に犬や猫がコケにいたずらしない様にという意味もありますが、そんな気もなく単にスナゴケの横を通り過ぎただけでも被害が発生してしまう可能性があるのです。
乾燥時のスナゴケは軽い
前述の通り、スナゴケは水やりの頻度は少な目にする事が望ましいコケです。
なので、乾燥状態のタイミングでは非常に軽く、岩や土壌に活着(根が張っていない)してしない状態であれば、簡単に移動してしまうのです。
屋外に設置しているときに強風に晒されてしまうと、ごっそりと飛ばされてしまうレベルの軽さなのです。
スナゴケの葉はひっかかりやすい
そして厄介な事に、スナゴケ葉は開いている状態であっても閉じかけている状態であっても、細かい葉先が無数についている形状となっているので、服の繊維などにくっつきやすい特徴があるのです。
その為、ペットの尻尾などが意図せず触れてしまった場合、その尻尾にスナゴケが全部持っていかれる事になるのです。
カビや匂いに注意
3つ目の注意点としては、カビの発生や悪臭の発生に関する内容となります。
清潔な環境に設置
コケリウムでは、必ずどこかのタイミングで水分が多くなる事があります。
それ自体は特に問題にはならないのですが、コケリウムの設置している場所の周辺が不衛生で、カビの胞子などが多く飛散している場合、その水分を利用してカビが繁殖してしまうケースがあります。
幸い、スナゴケは乾燥を好む苔ですので、そこまでカビが繁殖してしまう条件が揃う事はありませんが、風通しが悪かったり使用している砂にもともとカビがついているものだった場合は繁殖してしまう可能性はあります。
なので、立ち上げ事も含めて可能な限り清潔な環境で設置・管理をする様にしましょう!
放置すると悪臭の原因に
カビにも関係する内容ではありますが、不衛生な環境でコケリウムを続けていると、次第にコケリウムから悪臭が発生してしまう事があります。
これは水やりの水が完全に排出・蒸発する事なくその場に留まってしまい、そこから悪臭を放つカビなどが発生してしまう為です。
なので、容器には底に換気できる様な穴が開いている容器を選ぶと安心です。
もし、そういった換気用の穴が開いていないアクリルケースなどを使用する場合は、底に水が溜まらない様に調整したり、完全に水分がなくなるまで水やりを控えるなどの調整を行う様にしましょう。
虫の発生
4つ目の注意点としては、スナゴケのコケリウムから虫が発生してしまうというものです。
スナゴケは虫にとって好条件の住処?
スナゴケの特徴として、ある程度までは縦に伸びるという性質があります。
その為、群生させた場合には虫にとっては非常に快適な住処になってしまうのです。
卵を産むための適度な隙間が大量にあり、虫にとっても丁度良い頻度で水分も補給されるし、外敵から身を守るにも絶好の環境となっているのです。
屋内外設置は非推奨
スナゴケは他のコケと違って日光を好む種類のコケです。
なので、天気の良い日は外に出して日光浴をさせる事で、生育にも好影響を与える事になりますが、その屋外設置のタイミングに虫がコケリウムに入り込んでしまったり卵を生んでしまう可能性があるのです。
スナゴケ自体をそのまま屋外でずっと管理する場合であれば特に問題はありませんが、屋外と屋内を往復させる場合は、家の中に虫を持ち込む事になりますのでかなりオススメ出来ない飼育方法と言えるでしょう。
スナゴケ購入時にも注意
また、これはスナゴケの購入時にも注意すべき項目で、屋外に梱包などをされていない状態で販売されているスナゴケには、すでに虫が生育・卵が存在している可能性があります。
なので、「初めから屋内飼育だから大丈夫!」と思っていても、実はそれ以前から虫の脅威に晒される状態になっているという可能性も考慮する必要があるのです。
まとめ
以上がコケリウムなどでスナゴケを飼育する上で、注意するべき項目となります。
適切に管理していれば、スナゴケは常緑で形状も綺麗なコケですので、コケリウムに使用して鑑賞する分には申し分ない種類だと言えます。
しかし、適切でない方法で飼育してしまうと、スナゴケを腐らしてしまったり、折角のレイアウトが台無しになってしまったり、最悪の場合は不快な存在に変貌してしまう可能性もあります(コケリウム全般に言える事ですが)。
なので、管理が簡単なコケと言えども、侮らずに正しい方法で管理する様にしましょう。
なので硬くなり過ぎず、気楽に楽しみましょう!
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