ドラム式洗濯機といえば、従来の縦型の洗濯機と比較して次世代型の洗濯機という印象を持たれていると思います。
なので、ドラム式洗濯機は全ての点において縦型洗濯機よりも優れていると考えていましたが、実際に購入してみると意外と縦型洗濯機に劣っている点も多いと判明しました。
そこで今回は、ドラム式洗濯機のデメリットともいえるポイントについてご紹介します。
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購入前から分かるドラム式洗濯機のデメリット
まずは購入前から判明しているドラム式のデメリットについてご紹介いたします。
本体価格が高い
1つ目は何といってもドラム式洗濯機本体の価格の高さです。
縦型洗濯機からドラム式洗濯機に買い替える事で様々な恩恵を受ける事ができるのは事実ですが、代わりに縦型洗濯機よりもかなり高い本体価格に設定されています。
その為、ドラム式洗濯機に変える事で1回の洗濯で使用する水の量を節約できたとしても、元を取るまでにかなりの年数が必要になります。
大きくスペースが必要
ドラム式洗濯機は家電量販店や知人友人の家で実物を見た事がある方であれば分かる通り、通常の縦型洗濯機と比較して一回り以上の大きさとなっています。
なので、その分ドラム式洗濯機を置くスペースを多めに確保する必要がありますし、圧迫感もかなり増します。
洗濯機を置くスペースに余裕がある家であればそこまで大きなデメリットにはなりませんが、パンのある空間が元々狭い場合は自由に動けるスペースが少なくなりますので、大きなデメリットになる場合もあります。
購入してから気付いたデメリット
続いては、実際に購入して使用してみてから気付いたドラム式洗濯機のデメリットについてご紹介します。
ドラム式専用の洗剤が必要
私と同じく知らなかったという方が意外と多いと思われる項目に、ドラム式洗濯機専用の洗剤が必要だというデメリットがあります。
これは従来の縦型洗濯機用の洗剤では泡立ちが多すぎて、ドラム式洗濯機には使用できないという制約があったのです。
もちろん使用しようと思えば使用できるのですが、従来の洗濯用洗剤で発生する泡がドラム式洗濯機の故障の原因となりうるのです。
これが気軽に買い替えられる家電であれば多少の無茶は可能ですが、安くても10万円を超える高価な家電であることを考えると、今まで使用していた洗剤を捨てるのは勿体無いと思ってもおとなしくドラム式洗濯機専用の洗剤を購入すべきでしょう。
服が痛みやすい
ドラム式洗濯機の特徴の一つに、「叩き洗い」という洗い方があります。
この洗い方が使用する水量を節約できる要因となっているのですが、この方法はあるポイントにおいてはデメリットになります。
それが服の痛みやすさが高くなるという点です。
通常の縦型洗濯機でも服は痛みはしますが、ドラム式洗濯機の場合は痛み度合いがより高く、高価な服などの選択には注意を払う必要があります。
子供やペットに注意
子供やペットを飼っているご家庭では、ドラム式洗濯機の中に入ってしまって出られなくなってしまわいように注意する必要があります。
縦型洗濯機の場合は、小さな子供が侵入することは出来ず、ペットも身軽な猫でなければ侵入することはできません。
しかし、ドラム式洗濯機の場合は横向きに洗濯物を入れる穴が空いていますので、子供や小型犬でも侵入できる高さになっています。
更に上から洗濯槽を一望できる縦型洗濯機とは異なり、ドラム式洗濯機の場合はしっかりと屈んで中を覗き込まないと子供やペットが侵入していても気付けないというデメリットがあるのです。
洗濯物の追加ができない
縦型洗濯機の場合、洗濯物の9割を入れた時点でスタートボタンを押して、本格的に選択が始まる前に靴下やふきんなど小さいものを洗濯槽に追加して入れる事ができていました。
もちろん、初めの注水段階というかなり初期の段階での話ですが、地味にこの時間的猶予に救われた事が何度もありました。
しかし、ドラム式洗濯機の場合はスタートボタンを押した瞬間にドアがロックされてしまい、そこからは一才洗濯物を追加する事ができなくなります。
残り湯が使いにくい
節約家の方は、縦型洗濯機のスタートを押した時に、お風呂の残り湯を有効活用するために風呂桶などを使って湯船のお湯を洗濯機に入れて水道代を節約されている方もいるでしょう。
しかし、前述でもご紹介の通りドラム式洗濯機はスタートボタンを押した瞬間にドアがロックされてしまいますので、ドアから残り湯を入れる事はできません。
ただ、完全に「不可能」という表現を使わないのは、効率面では最悪ですが一応洗剤の投入口から残り湯を投入する事は可能です。
勢いよく残り湯を注ぐと一瞬で溢れてしまうので、チビチビ入れる必要があり、事前準備や工夫をしないと500mlほどしか入れれずに終わってしまうでしょう。
匂いが悪くなりやすい
そして、これが実際に使用して分かったデメリットの中で最大のもので、ドラム式洗濯機で洗った洗濯物の匂いが悪くなりやすいという点です。
事前にネットで確認したところ、排水溝の掃除が不十分だった場合には乾燥時に排水溝の匂いが混じるという口コミがあったのですが、この部分は入念な掃除で回避できます。
より問題に感じたのは、どれだけ柔軟剤を入れても乾燥後には匂いが0になってしまっているという点です。
これには理由があり、柔軟剤が洗濯物に浸透しても「叩き洗い」によって洗い流されてしまい、乾燥時に温風が当たることで匂い成分が綺麗に飛ばされてしまうという状況になってしまうのです。
ちなみにこれを回避する事は可能で、すすぎ回数を1回のみにして乾燥時間を出来るだけ短か目に設定の2つを意識すればOKです。
ただし、乾燥時間に関しては地味に難しく、洗濯物の量から自分で乾燥時間を判断する必要があります。
人によってデメリットになる
ドラム式洗濯機の特徴の中には人によってデメリットになるポイントや、ドラム式洗濯機の中でも機能の差でデメリットになるポイントがあったりします。
なので、縦型式洗濯機→ドラム式洗濯機に買い替えた人全てに該当するデメリットではないが、人によってはデメリットになるポイントについてご紹介します。
音が大きい
ドラム式洗濯機のレビューの中には「洗濯中の音が大きい」という口コミなどを見かける事があります。しかし、実際のところは比較対象が何になるのかによって、ここは変動します。
例えば私の場合で言えば、以前の縦型洗濯機はホームセンターで買えるような最安値のクオリティの洗濯機を使用しており、洗濯時にはガンガンガンッ!という轟音を発しながら洗濯します。なので、このクオリティの洗濯機と比較するとドラム式洗濯機はむしろ超絶静かな部類に分類されるレベルとなります。
反対に今まで静音特化の洗濯機を使用していた方が、静音対策のないドラム式洗濯機に買い替えてしまうと音が大きく感じてしまいます。
洗浄力が落ちる
ドラム式洗濯機のデメリットに洗浄力が落ちると言われている方は多いですが、ここも正直今までの洗濯環境次第で評価は変わります。
私のように「回れば良し」レベルの洗濯機を使用している方であればドラム式洗濯機に変える事でむしろ洗浄力は上がります。反対に縦型洗濯機の中でもハイクオリティタイプを使用していた場合には、ドラム式洗濯機の中でも安価なタイプにする事で洗浄力が落ちると感じるでしょう。
なお、ドラム式洗濯機の中には常温の水ではなく加熱された温水で洗浄できる機能を搭載しているタイプもあり、これを利用すれば洗浄力は大幅に向上させる事が可能です。
電気代が高くなる
乾燥機能が搭載されているドラム式洗濯機の中でもヒートポンプ式の乾燥と、ヒーター式の乾燥の2種類が存在します。
このうちヒートポンプ式の乾燥ができるドラム式洗濯機であれば、電気代はかかるものの1回の乾燥にかかる電気代は三十円前後で済みます。
しかし、ヒーター式の乾燥では1回の乾燥にかかる電気代は五十円超と1.5倍以上に跳ね上がります。
「なら、ヒートポンプ式のドラム式洗濯機を買えばいいじゃん?」と思われるでしょうが、ヒートポンプ式のドラム式洗濯機は総じてヒーター式よりも高額な部類となっており、電気代の差から考えて7年前後使い続けてようやく元が取れる計算になります。
もちろん、ヒーター式でも風呂場の浴室乾燥と比較すると1/2程度の電気代で済みますので、どちらが良いかは好みや考え方次第でしょう。
手入れの手間が増える
ドラム式洗濯機は排水側と乾燥の空気孔の2箇所の清掃が必要になります。
加えて、ドラム式洗濯機次第では洗濯槽の入り口付近にホコリが溜まる事があり、これを放置すると洗濯完了後の衣服を取り出す際に、せっかく綺麗になった洗濯物にホコリが付いてしまいます。
なので、意外と手入れの手間がいる洗濯機と言えるでしょう。
ただ、手間は増えますがしっかりと手入れを行っていれば、それだけ故障を減らせたり異臭の防止にも繋がるため、掃除好きの方にとっては手入れの手間は増えても手入れのしやすさが向上しているポイントはメリットになり得ます。
他にも上記の手入れ項目と比べて頻度は落ちますが、洗剤や柔軟剤の注ぎ口も継続利用することで塊が発生する場合もあるため、数ヶ月に1回は手入れが必要になります。
まとめ
以上が、ドラム式洗濯機が縦型洗濯機よりも劣っているデメリットとも言える部分のご紹介となります。
項目数だけ見れば、意外とドラム式洗濯機にもデメリットが多いように思えますが、やはりそれ以上に自動乾燥や水量の節約、場合によっては洗濯音の小ささや温水洗浄など縦型洗濯機では得られないメリットの存在が大きいです。
なので、ここで紹介したドラム式洗濯機のデメリットを考慮しても、得られるメリットが大きいと思える方は、ドラム式洗濯機の購入をオススメします。
逆に言えば、これらのデメリットが許容範囲外だという場合には、ドラム式洗濯機ではなくハイスペックな縦型洗濯機を購入するという選択肢や縦型洗濯機+乾燥機のセットを揃えるという選択肢を検討すべきでしょう。